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名刺の歴史


名刺に関する歴史をつづったページです。


原始時代のコミュニケーションツール

名刺の発祥は紀元前2世紀の中国と言われていますが、名刺をコミュニケーションの道具であると考える とその歴史は原始時代にさかのぼります。
まだ人類に言語と言うものが確立されていなかった頃、初めて会った相手に対してまず石ころを置きその後そこから遠くへ離れてそれを見守る。そして相手が同じように石ころを自分に向かっておけば、敵意が無いものとしてコミュニケーション成立となったそうです。また、石の大きさや数、置き方にも意味があったようです。

中国ではじまった名刺

現在の名刺の原形となる「刺」と呼ばれるものをはじめて使ったのは漢の国の高祖、劉邦であったと言われています。劉邦が妻を娶る際、その父親に面会を申し込みました。その時名刺に政治献金をしますからというメッセージを入れて取り次ぎを頼んだのがはじまりとされています。当時の名刺は、木や竹を削りそれに名前を書いたり彫ったりして使いました。名刺の「刺」のいわれはそこにあります。

ヨーロッパでの名刺のはじまり

ヨーロッパでは16世紀、家に訪問して不在の際に置いて行くメッセージカードとしてスタートしたようです。その後、王朝文化の華やかなりし頃、社交界での挨拶用として使われるようになりました。その後、装飾を施したものや模様を入れたものが現れ現在へと至っています。

日本での名刺のはじまり

日本の名刺の始まりは19世紀初めであると言われています。最初は和紙に名前だけを手書きしたもので、ヨーロッパと同じく相手先に訪問して不在の際、置いてくるものだったようです。 幕末になると訪日する外国人との応接の際に名刺の交換をしたという記録も残っています。明治以降、名刺は盛んに使われるようになり、鹿鳴館時代には社交界の必需品となっていったそうです。

現在の名刺事情

現代の日本ではもう名刺なしのビジネスは考えられませんね。91mm×55mmの小さな紙片から一生にわたる付き合いや億単位のビジネスが生まれることもあります。一昔前までは厚手のケント紙に縦書きで文字だけの名刺がほとんどでしたが、現在はビジネス名刺でもカラフルな物や写真入りのものなどアピール度の高い名刺が多くなってきました。また、ビジネスだけでなくプライベートの名刺として学生や主婦、そしてビジネスマンも会社とは別に個人の名刺を持つようになってきました。

名刺の今後…

これからは、さらにプライベートで使用する名刺を持つ方が増えていくと思います。しかもサークルや趣味や家族の名刺、あるいはペットの名刺など、一人で何種類もの名刺を持つ方が増えていくことでしょう。会社から支給される名刺だけではなく、自分自身を表現できる個性的で素敵な名刺が増えていけば素晴らしいですね。