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【名刺コラム】標識の書体に注目してみよう!


普段当たり前のように目にしている文字ですが、様々な書体によって表示されています。
今回は、身近なものの中から標識の書体について着目し、調べてみました。

道路標識・案内標識

道路標識

まずは普段生活をしていて誰もが目にする道路標識の書体についてです。
「止まれ」の標識で見ていきましょう。
これは「ゴシック体」という書体です。
ゴシック体は、ほぼ同じ太さの線で書かれているのが特徴です。
標識は誰もが一瞬でわかるということが最も重要だと思います。
動きが少なく、統一感のあるゴシック体は、見る相手に明確に意味を伝えるという点では適した書体です。

標識

ゴシック体同様、普段目にする機会の多い「明朝体」で止まれの標識を作成してみました。
明朝体は、縦線が横線より太く、文字の止め・はね・はらいなどの飾りが表現されているのが特徴です。
一見すると明朝体の標識でも問題ないように思われますが、道路標識・案内標識は屋外で使用されることが多いものです。
標識が汚れてきたり、雨や雪などの悪天候下などの状況もあります。
また遠くからでも、夜間でも認識できなければならないものです。
これらを考慮すると、明朝体は横線が細いため、ゴシック体に比べ見づらいのかもしれません。
そのためゴシック体の方が視認性が高いことから、ゴシック体が採用されているようです。

標識

高速道路の案内標識

次は高速道路の案内標識を見ていきます。
普段じっくり見ることのできない標識ですが、他では見かけない独特な書体をしています。
この書体は「公団ゴシック」と呼ばれ、旧道路公団が独自にデザインしたものだそうです。
時速100㎞で走っていても、走行中100~150m手前から6秒以内で文字が読めるよう制作されました。
その特徴として、細かい画やはねを省略し、画数が多い漢字は潰れないように簡略化され、その文字の特徴的な部分を強調して表現されています。

高速道路の案内標識

普通のゴシック体だと潰れてしまう三鷹の「鷹」の字ですが、公団ゴシックでは横棒の数、形を大きく変化させています

高速道路の案内標識

京都の「都」は“ノ”の部分の上のところが省略されています

そんな視認性を重視した公団ゴシックですが、
・公団ゴシックの開発者が他界されたこと。
・一字ずつ手作業でデザインしていたため、新しい文字を使う場合に1から文字を作る必要があり、デザインの統一性を疑問視する声が上がったこと。
・独特な省略の仕方のため、「誤字なのでは?」との指摘の声が上がったこと。
これらの理由により、年々「ヒラギノ角ゴシック」への置き換えが進んでいます。(トンネル名など緊急性が低いものは交換せず残っているものが多いようです。)

ユニバーサルデザイン書体

標識の書体は視認性を意識して作られたことがわかりました。
そこで当店でも見やすい書体としてユニバーサルデザイン書体を追加することとなりました。
ユニバーサルデザイン書体とは、「誰にでも読みやすく・わかりやすく・間違えにくい」ことをコンセプトに作られた書体のことです。
「ご」の濁点の位置の変更、「3」や「9」、「s」などの“アキ”を広くして判別しやすくするなどいくつもの工夫がされています。

まとめ

標識に使われている書体は見やすさ・機能性などを考慮して採用されていることがわかりました。
当店は数ある書体の中から見やすさ・印象に残る書体など厳選したものを揃えております。
上記でご紹介したモリサワのユニバーサルデザイン書体の他にも丸フォーク、きざはし金陵など数点を追加予定です。
書体変更を希望の方は、お気軽にお申し付け下さい。
フォント(書体)一覧

2018/01/22